Jun Hashimoto
第三十九話 服は主役ではない
服は、人を格好良く見せるためにあります。 でも、主役は服ではありません。 主役は、それを着る人です。 どれだけ良い服でも、誰にでも似合うわけではない。 高価だから。 有名なブランドだから。 そんな理由だけで、その人に合う服になることはありません。 服には、それぞれ似合う人と、似合う場面があります。 仕事で着る服。 休日に着る服。 大切な人と会う時の服。 着るシーンを間違えるだけで、本来その人が持っている魅力まで曇らせてしまうことがあります。 服はプラスになるだけではありません。 選び方次第では、マイナスにもなる。 だから大切なのは、「何を着るか」ではなく、「何が自分に必要か」を知ることです。 それは体型だけではありません。 年齢や仕事、ライフスタイル、そして、その人がどうありたいか。 そこまで含めて服は選ぶものだと思っています。 服は、自分を変えるためのものではありません。 本来持っている魅力を、自然に引き出すためのものです。 だから僕は、服だけを提案したいわけではありません。 その人には、どんな素材が合うのか。 どんな服が、その人らしく見えるのか。 どんな場面で着るのが一番自然なのか。 そこまで考えて提案したい。 良い服とは、服を褒められるためのものではありません。 「その服いいですね。」ではなく、 「今日、なんかいいですね。」 そう言われる服。 服が前に出るのではなく、着る人が自然と魅力的に見える。 僕が目指しているのは、そんな服です。