Jun Hashimoto

# 第二十二話 ブランドは作るものではない

ブランドを作りたいと思った事は、実はあまりありません。

服を作りたいとは思っていました。

良い素材を探したいとも思っていました。

でも「ブランドを作ろう」と考えた事は意外と少ない気がします。

ブランドは名前でもありません。

ロゴでもありません。

お店でもありません。

もっと言えば、服ですらないのかもしれません。

ブランドとは、その人が何を信じているか。

それが少しずつ形になったものだと思っています。

だから僕は昔から考え方はあまり変わっていません。

素材から考える事。

人が主役である事。

長く着たくなる服を作る事。

それを何年も続けてきました。

新しい考え方を作った訳ではありません。

同じ事を、ただ繰り返してきただけです。

でも不思議なもので、続けていると少しずつ「橋本さんらしいですね」と言われるようになりました。

最初から個性を作ろうとした訳ではありません。

結果として、それが自分らしさになっていました。

ブランドもきっと同じなんだと思います。

最初にロゴを考えるのではなく、最初に考え方がある。

その考え方を何年も変えずに積み重ねていく。

すると最後に名前が付く。

僕はその順番の方が自然だと思っています。

だからブランドは作るものではなく、積み重ねた先に生まれるものなのかもしれません。