Jun Hashimoto
# 第二十一話 文化は選択から生まれる
前回、僕にとってファッションとは「My own culture」だと書きました。
その言葉を考え続けて20年以上経ちますが、最近ようやく意味が分かってきた気がします。
文化は誰かにもらうものではありません。
毎日の選択から生まれるものです。
何を着るか。
何を食べるか。
何を美しいと思うか。
どんな人と付き合うか。
一つ一つは小さな事ですが、その積み重ねがその人らしさになります。
だから文化には近道がありません。
一日で身に付くものでもありません。
服も同じです。
若い頃は新しい物や珍しい物に惹かれていました。
でも今は、一度見て格好良い物より、何度見ても良いと思える物を選ぶようになりました。
一度着て終わる服より、何度も袖を通したくなる服。
そんな物に惹かれます。
好みが変わったと言うより、自分に必要な物だけが残ってきたんだと思います。
服作りも同じです。
毎シーズン新しい服を作っていますが、考え方はあまり変わりません。
素材を大切にする事。
着心地を大切にする事。
人が主役である事。
その軸だけはずっと変わっていません。
変わらない軸があるから、新しい挑戦も出来る。
それが長く物を作り続ける事なんだと思います。
20代の頃に答えた「My own culture」。
あの時は意味も分からず口にした言葉でした。
でも今なら少しだけ自信を持って言えます。
文化とは、毎日の選択を積み重ねた先に生まれるものなんだと思います。